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「 ただいま。ごめん、遅くなった 」
タクシーを拾い帰ることを約束し、先に帰ってもらっていたりおとななに声をかけるが、返事がない。
部屋も暗く、まだ帰って来ていないのかと不思議に思い電気をつけると、
「 …え?り、りお…っ、なな…、きゃーーーーーーーーーー!!!!!!!! 」
血だらけで倒れ込む2人の姿があった。
「 119、急がないと…は、早く 」
急いで救急車を呼ぼうと電話をかけるが、震えて指が定まらない。
涙が止まらず、誰か来てと叫ぶが、誰も来てくれない。
「 どうかしましたか? 」
「 あ、あの、助けてください 」
やっと誰か来てくれたと安堵するが、その声は何故か室内からで…
「 あいみん、みーつけた 」
「 清水さん… 」
クローゼットから出て来たのは、血まみれの剪定バサミを持った清水さんだった。
「 また、会えたね 」
思考は完全にショートし、体が動かないまま、それは振り下ろされる。
「 ずっと、一緒だよ 」
最後に見たのは、ニターっと笑う血まみれの、清水さんの笑顔だった。
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