第一話 プロローグ

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第一話 プロローグ

 お、ワラビ出てる。ゼンマイも。あ、あれ、シロバナタンポポじゃん。珍しい。 私・山野(やまの)(よもぎ)は、うきうきと辺りを見回した。  私、春って大好き。近所の野草のほとんどが、一斉にかわいい花を咲かせるんだもん!   今年もお母さんの野草図鑑でたくさん勉強したいな。  次は西公園に行ってみよう。  歩き出した私は、はたと足を止めた。  ……あれ? さっき何か、変な物が目に映った気がする。  慌てて振り返ると、白線で区切られたせまい歩道を塞ぐように何か大きい物が落ちていた……落ちて……え? よく見ると物じゃない。人だ! 人が倒れてる!?  助け起こそうと慌てて駆け寄るとその人は……………………写真を撮っていた。
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