第十四話 三人目の来店者

5/5
前へ
/52ページ
次へ
「ねえ。昨日、大丈夫だった?」  次の日の朝。学校で、東さんに声をかけられた。 「え、知ってるの?」 「昨日、野菜を届けに行ってさ。そしたら、叔母さん、泣いてたんだよね。床が汚れてたのもあって、またクレーマーだって察したんだけど。誰が来たの? 山野さん達も、何かされなかった?」  尋ねられ、私は昨日目撃した出来事について話す。 「吾作おやじか。あいつ、また叔母さんに手を出しやがって――!」 「東さん……?」  突然、地を這うような声を出した東さんに、おそるおそる声をかける。 「あっ! いや、なんでもない」 「ねえ、東さん。クレーマーって?」 「叔母さんから聞いてないの?」 「うん」 「そっか」  私の返答にうなずいて、東さんは表情を引きしめた。 「ここじゃ話せない。放課後、双葉さんも交えて話そう」
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加