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第十五話 「weeds」大改革!?
「……なんで、あなたがいるのよ」
「いーじゃんいーじゃん。ささっ! こっちお〜いで!」
待ち合わせ場所に東さんがいるのを見つけるなりしぶい顔をして立ち止まった葵ちゃんを、東さんが明るく手まねきする。
……こういう、相手が不機嫌でも笑顔を崩さないところとか、菊子さんにそっくりだよね。
葵ちゃんの眉間のシワが深くなるのを見ながら、私は苦笑いするしかない。
「葵ちゃん、なんかごめんね」
「な〜んで、ヨモギが謝らなきゃいけないんだか。双葉さん、あたしは2人に話があるから来ただけなんだけど、間違ったことしてる?」
「ああ東さん! 今、私のこと」
「……なんであなたが、蓬のこと、名前呼びなわけ?」
葵ちゃんの声が、一段低くなった。
いやいやいや! 私だって、今初めてあんな呼び方されたんだよ!? ゼッタイ、からかわれてるだけだって! 私が動揺してるので気づいて!
私の気も知らず(いや。知った上でやってるのかも)、東さんは私と一方的に肩を組む。
「え〜? 仲良しの子を親しげに呼ぶのって、悪いことじゃないじゃん。ねっ! ヨモギ。双葉さんに口を出される筋合いはないんですけど〜」
「あなたねえ……!」
東さん! 火に油を注ぐようなマネを! 葵ちゃんも、落ち着いて!
「2人とも、ストーップ!」
もう! いつまでも話が始まらないじゃん!
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