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「っ、……んっ、ロイ……ロ、イ……っ」
「可愛いね。もっと欲しがって?」
後孔をぐちゅりと長い指にくじかれて、ハーヴィーは頭を振った。
「いや、だ……ロイっ」
「嫌じゃないでしょ? 正直に気持ち良いって言ってごらん?」
「っ……指じゃ…嫌だ……」
「良い子。何が欲しいのか、ちゃんと言えたら可愛がってあげる」
「んっ、ロイの……硬いの、が、欲しい……」
込み上げてくる羞恥を誤魔化すように、ハーヴィーはロイクの唇を奪った。
「んぅ……っ、ロイッ、あなたが……っ欲しい」
「良いね。上手におねだりできたご褒美をあげる」
引き抜かれた指の代わりに熱い屹立を双丘の奥にあてがわれる。ただそれだけで、ハーヴィーの全身が期待に震えた。
「挿れて、ロイ……っ」
「我慢の利かない君も、すごく可愛い」
待ちかねた熱棒が、狭い縁を抉じ開ける。熱い質量に貫かれるのと同時に、ハーヴィーは欲を吐き出していた。
「んぁッ、あッ、……良い…っ」
「そんなに欲しかった?」
「んっ、足りな……、もっと…っ」
「やらしいハーヴィー、僕を煽っておいて、覚悟はできてるのかな?」
さらりと髪を撫でる大きな手は、随分と熱かった。
「良い。……あなたに、壊されたい……」
「ッ……」
ほんの僅かな間、ロイクの動きが止まる。が、次の瞬間、ロイクの上に乗っていたはずのハーヴィーは、寝台の上にうつ伏せにされていた。大きな手に腰を引きあげられたかと思えば、すぐさま最奥まで欲望を突き込まれる。
「っぐ、……あ、ああッ」
「望み通り、壊れるまで食らい尽くしてやる」
ぴたりと背中に張り付いた熱が、耳朶に囁いた。
「ぁっ……」
「期待したのか? 後ろの穴が締まったぞ?」
いつものロイクとは違う、仮面を脱ぎ去った低い声に全身が震える。身構える暇もなく開始された抽送は激しく、ハーヴィーの思考はすぐに吹き飛ばされた。
「ぃあッ、……あッ、アアッ」
濡れた肉のぶつかる音と、嬌声が部屋に響く。叩き付けるような抽送がもたらす快感は強烈すぎて、無意識に逃げようとするハーヴィーは、だが腰をしっかりと掴んだ腕になす術もなく揺さぶられ続けた。
「アアッ、……ン、っく、……ロイ……もッ、出る…っ」
「好きなだけ吐き出せ。何度でも、空になるまで、な」
熱を吐き出してもなお止まない抽送に、頭の中が真っ白になっていく。纏まらない思考とは裏腹に、躰の感覚だけは鋭敏なままで、腰に食い込む指の強ささえもが刺激に代わる。
もう幾度欲を吐き出したのかさえも分からなくなるころ、ロイクはようやくハーヴィーの奥へと熱を注ぎ込んだ。耳朶に掛かる吐息の熱さと、掠れた声が男らしい色気を纏う。
「っ……も、おわっ…た……?」
腹の奥底に注がれた欲と、動きを止めたロイクへと弱々し気な声が問いかける。だが。
「まさか。こんなもので足りると思うか?」
未だ挿入されたままの雄芯は硬いままで、ゆるりとロイクが腰を動かすだけで媚肉を抉る。
「んっ、……ぁッ」
「それとも、ギブアップか?」
「っ、しな……ぃ」
「良い子だ。もっと良くしてやる」
腰を掴んでいた手を離されて、ハーヴィーは寝台の上にあっけなく崩れ落ちた。ずるりと抜け落ちた雄芯に、僅かに開いたままの後孔の縁からロイクの注いだ欲が零れ落ちる。白濁を掬い上げる節の高い指に、入口の襞がひくりと震えた。
「抜かな……っで…」
「もの足りなそうにひくつかせて、いやらしい穴だな」
寝台に突かれた逞しい腕を、ハーヴィーの手が掴む。僅かな力で引かれた腕に、ロイクはハーヴィーの背中へと圧し掛かった。
「欲しいのか?」
「ぁっ……ロイ……、挿れて……おっきいの、欲し……っ」
「なら、くれてやる」
ぐ……と、背中に重みが掛かる。先端に襞を押し広げられて、ハーヴィーは吐息を零した。ゆっくりと入り込む硬い熱を、待ちわびたように媚肉が食んだ。
「良……いっ、中、気持ちぃ……」
堪えるように敷布を握り締める手を、ロイクの大きな掌が覆った。僅かに緩んだ指先に、節の高い指を絡ませる。
「奥の入口、欲しがるように吸い付いてるのがわかるか?」
ロイクの言葉が何を指しているのかを察して、無意識に逃げを打つ。だが、大きな体躯に寝台へと押し潰されたハーヴィーに逃げ場はなかった。
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