第六章 見えた世界

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「修羅」  翌日。昼下がりの修羅組のアジト。 そこにあるソファで本を読んでくつろいでいた修羅に、香偲が歩み寄る。 その面持ちから真剣な話なのだと察した修羅は本を閉じて、あらためて視線を向けた。 「どうしたんだい?」 「ちょっと……相談、というより協力して欲しい事があって」 「君が頼んでくるってことは情報のことではないだろうし……なんだろう?僕に出来ることならなんでもするけれど」 「その……やってみたいことがあって、そのために修羅の力を借りたいんだ」 言いづらそうにチラチラとこちらを見るものだからどんな用事なのだろうと構えていたが……香偲の好奇心に近いものなのだろうか? そんなこと、もっと気軽に頼めばいいのに。 しかし香偲の控えめな性格上、あまり強くは言えないのだろう。申し訳ないから、と人に頼るのも苦手のようだからなおさら。 一見クールに見える彼からは想像できない性格だ。 思わずクスリと笑みがこぼれる。 「えっ、なんで笑ってるの?」 「いや……頼られて嬉しいんだよ。で、なんだい?そのやってみたいことって」 香偲は気まずそうに……いや、どこか恥ずかしそうに視線を泳がせて口をつぐむ。 よほど言いづらいのだろう。小さく深呼吸をしてから、まっすぐ修羅を見つめた。 「の、ことなんだけど​───」
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