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すっかり夕焼けが街を包む中、竜也とヒロは生徒会室へと向かうため階段を上がっていた。
ヒロが一緒である理由は、なるべく呪いを軽減するシエのそばに居ることでその効果を高められるのでは、と考えたから。
今のところヒロに異変は起きていないが念には念を、だ。
やがて生徒会室の前へとたどり着くとゆっくりと扉を開く。
なにやら一箇所に集まって何かを見ているらしい。
そこにはなぜか修羅と香偲も居た。
「あれ、二人とも来てたの?」
「ちょっとやりたい事があって」
「やりたいこと?」
香偲の言葉に首を傾げつつ、ソファへ荷物を置いてからそこへ歩み寄る。
どうやら輪の中心は愛らしく、みんなで囲んでいた。
そこでふと、違和感を感じる。少し考えて、ああ、と納得がいった。
愛の目が開いているのだ。
珍しいな、なんて思って見つめていると、愛がこちらへ視線を向ける。
……そう、視線を向けたのだ。
「……え?」
思わずきょとん、と目を丸くする。
間違いない。今自分は、愛と目が合っている。
これはどういうことだろうか。
「あら、伊藤くん思ったよりずっとかっこいいわね」
「えっなん……やっぱ見えてるよね!?なんで!?」
「それがねー!」
意味が分からないと動揺する竜也の顔を、生き生きとしたアヤカが覗き込む。
「なんと!香偲っちと修羅っち、そして朱里ちゃんのおかげで愛の目が治ったんだよ!」
「な、治った!?」
朱里は確かに治療能力の持ち主だ。
瀕死でさえなければ大概の傷は治せる。だがそれは、傷や病気があることが前提なのだ。
要するに、治すものが無ければ治せない。
だから以前試した時も、「能力を持った影響で視力を失った」愛の治療は出来なかった。
なのに、なぜ?
相変わらず目を丸くしている竜也に香偲が声をかける。
「俺から説明します」
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