4 月光

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「早かったな。サジューム」   ガイウスがサジュームに気が付いて声をかけた。ガイウスの背後にはテントが設営され、足元には竈のように石が組まれて、やかんに湯が沸いていた。 「店が閉まっていましてね。食事の調達は失敗でした」  サジュームは出来るだけ平静を装っていたが、ガイウスは緊迫した王都の様子を察して「気にするな」と言った。  そして、やかんからコップに湯を注ぐと、 「ひどい顔をしている。飲むんだ。白湯だか落ち着く」 と、サジュームにそのコップを押し付けた。  サジュームが腰掛けて白湯を啜っていると、いつの間にかアメリアを抱いたアークが傍に立っていた。 「聞かせてほしい」  アークが8歳らしからぬ厳しい表情でサジュームを見つめてきたので、サジュームはアークの前に膝まづいて、 「見たこと、聞いたことをそのままお伝えいたします」 と言った。  
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