4 月光

9/9
前へ
/38ページ
次へ
 もし精霊なら、これこそ神の御加護と言って良かった。  アナトリア王国をはじめ周辺地域では、広く精霊が神の御使いとして降臨する伝説が残っていた。 「精霊なら、何か用があるのですか?」  サジュームは恐る恐る訊いてみると、その女性はかぶりを振って 「私も状況がよく分からなくて。できれば今のことを教えてほしい」 と言った。 「そうですか…。では失礼して傍に行ってもよろしいか」 とサジュームが言うと、女性は微笑んで頷いた。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

39人が本棚に入れています
本棚に追加