5 湖畔の隠れ家

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「…本当にいるんだな。精霊が」  ガイウスは、一歩遅れてサジュームについて行き、その隣に座ると 「いやな。前に、お前が夜に一人でぶつぶつ言っているのを見て、サジュームも少しおかしくなったのかと思っていたんだ…」 と言った。 「なんですか、それ」とサジューム。 「…精霊と話していたんだなぁ。安心したよ…本当に」 とガイウスは心から安堵した表情で言った。 「ガイウス、あなたには見えないんですね?」 とサジュームが訊くと「ああ」とガイウスが答えた。 「何にせよ、これでアーク王子も安心されるだろう。ミウという精霊、感謝する」  ガイウスが闇に向かって頭を下げると、 「そっちにはいません」 とサジュームが言った。 「見えねぇんだよ!そっちか!」  ガイウスは怒りながら再び違う方向に頭を下げるので、サジュームは笑いを堪えるのが大変だった。  ガイウスがテントに入ると、 「これで良かったのかしら」 とミウがサジュームに声をかけた。 「良いです。こんな結界魔法、聞いたことも見たこともありません」 「そう…。お役に立てて良かった」  ミウはそう言うとすうっと闇に消えていった。しばらくすると、蒔がはぜる音に混じって、アメリアの寝息が聞こえてきた。
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