1 孤児そして疑似家族

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「髪の毛、ふさふさだね。アメリアも生まれたときから、ふさふさだったんだ…ねぇこの子、男の子?女の子?」  アークが訊くので、サディームは衣服の下に手を入れて「女の子です」と言った。そのとき、赤ん坊が身をよじって暴れたので、サジュームは落とさないように慌てることになった。 「どうしたんだ?」  サジュームは大人しかった赤ん坊が急に無図がるので、ぎこちなくあやしていると 「様になってるじゃないか」 とガイウスが笑った。 「じゃぁ、アメリアにしよう。君は僕の妹、アメリアだ」  アークがはっきりと言い切ったので、ガイウスもサジュームも反論できなかった。目の前で王妃である母親と妹が殺されたのだ。その衝撃を慮ると、むやみなことは言えなかった。  サジュームは腕の中の赤ん坊を見つめた。月光にふわふわの産毛がアメリア姫と同じプラチナブロンドに見えなくもないが、日の光の下ではどうだろうと思った。
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