強運な幼なじみ

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「うん。大吉とか凶とか、良い悪い両方あるのって人そのものじゃない? だから、うまく付き合っていこうって、ほの香先生に励ましてもらったの」 「ほの香先生の受け売りか」  里至が茶化す様に笑ったのを見て、謝るなら今だと思った。 「腕のホクロの事、ひどい言い方で傷付けてごめんなさい。この間、自分だって名乗らなくてごめんなさい」 「いいよ。俺も作文の発表が思ったより皆んなにウケて良い気になってたんだ。それに、言った後の悲しい顔を見て、本心じゃないって分かったんだよ。だから友達減らさずに済んだ。やっぱり俺、強運なのかも」  それは、久々に会った友人へ向けた笑顔だった。 「今、何か言った?」 「ううん。おかわり飲む?」 「うん。走ったから喉乾いてたんだ」 「里至君、ありがとう。あの作文を書いてくれた事、感謝してる」 「え?」 「あの作文から、きっと繋がってるんだと思う」 「繋がってるって何が?」 「それは……と、友達とか」  流石に未来と言うのは気恥ずかしかった。 「とか、何だよ?」  にやにやしているところを見ると想像はついているらしい。 「もっと頑張らないとって事!」
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