強運な幼なじみ

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「一ノ瀬さんも占い師になるんですか?」 「えっ」   思ってもみない事を聞かれ、声がひっくり返った。 「他の占い師さんに占ってもらった時にも助手の方がいて、占い師を目指してるって聞いたので」 「そうだったのですか。私も、ほの香先生の元で修行中です」 「そうなんですか。頑張って下さい」 「ありがとうございます」  他愛のない雑談でほっとした表情を見せた。彼なりに緊張していたのかもしれない。 「いちかさん、ありがとう」  シックな黒のワンピースで現れたほの香に偽名を使った旨を耳打ちするより早く里至がぴくりと反応した。 「一ノ瀬いちかさんと言うんですね」  ほの香は私を横目で見て、里至に向かって微笑んだ。 「いちかさん、ファイルを」 「はい」  ほの香が砂時計をひっくり返す。砂が落ち切るまでの一時間が里至の持ち時間だ。 「村木里至様、お越し下さりありがとうございます。各務ほの香と申します。どうぞ宜しくお願い致します」 「こちらこそ宜しくお願いします」
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