強運な幼なじみ

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 いちかはバックヤードでお茶の用意をしにそっと離れた。一瞬、里至が私を観察する様な目で見て、素性がばれてしまったのかとひやりとした。本人だとすれば、修行とはいえ幼なじみの心のうちを黙って聞いていて良いのだろうか。何とか里至本人かどうか確かめたかった。  逡巡していると二人の楽し気な声が聞こえて来た。ほの香はあっという間に相手をリラックスさせ、悩みを打ち明けやすい空気を作る。私には最初の応対だけで精一杯だった。 「あっ、そうだ」  ほの香がブレンドしたハーブティーを淹れ二人の元へ戻ると、姓名判断の説明をしているところだった。 「姓名を天格・人格・地格・外格・総格・の五格に分けて表します」  村木里至と縦書きされた文字の横にはそれぞれ画数が書かれてある。
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