強運な幼なじみ

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「実は、以前にも別の占い師さんにも同じ様に言われたんです。子供の時から良縁に恵まれていて、困難な事があっても沢山の人に助けられて来たはずだって。そういう星の下に生まれた強運の持ち主だと」  そう苦しそうに話す里至に、ほの香は珈琲をすすめた。 「ああ、美味しいです」 「お口に合って良かったわ」 「あの、すみません。気分良くないですよね、他の占い師さんとの話なんて」 「いいえ、どうかお気になさらずに。占いの結果に不審な点でもお有りでしたか?」 「いえ、そういうわけでは。気に入らないのは、どんなに占って貰っても良い結果しか出ない事なんです」  驚いて声が出そうになった。良い結果に気分を害す人は初めてだったからだ。里至は一体どんな答えを求めているのだろう。 「すみません。訳が分からないですよね」 「いいえ、そういうお客様はいらっしゃいますよ」 「え? 本当ですか」 「占いにいらっしゃる方々には様々なご事情や悩みをお持ちで、占いにより現状を変えるきっかけになったと仰って頂く事があります。ですが、中にはご自身の現状と占い結果のギャップに悩まれてしまう事も少なくありません」 「それです!」
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