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里砂さんが弁当を広げた。僕の好きなだし巻き卵もある。
「わ、おいしそ」
「洋太さんこそ」
僕は手作り自慢の鶏の唐揚げを見せた。プチトマトとレタスとブロッコリー、レモンを添えて、彩りも栄養も考えたのをわかってくれたと思う。
おいしい空気においしい弁当。
僕たちは食べながら、たわいもない話をした。食べ終わり、一息つきながらペットボトルのお茶を飲む。
無言で空や木々や芝生の緑を眺める。
沈黙が心地いい。こんな気分は初めてだ。
結菜といた時にもなかった…いや、考えない考えない。
とにかく、初めての気分だってこと。
ちらっと、里砂さんを見る。
うつらうつらして、何だか眠そう。弁当を作るのに早起きしちゃったのかな。
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