5.そして、運命の日

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 僕たちは駅で待ち合わせ、雑居ビル2階にある『保護猫カフェ にゃりんこ』に向かう。 「私、猫カフェ楽しみ」 「そう。保護猫カフェだから、普通の猫カフェとはちょっと違うかも」  僕は少し緊張していた。 「いらっしゃいませ」  扉を開けると、店長が出迎えた。ガラス戸の向こうにネコたちも顔を見せる。  僕たちが足を踏み入れると、店長が一瞬、ちょっと目を見開いた。そりゃそうだ。初の2人での来店、それも女性と。 「席は三番テーブルにどうぞ」  店長は気を利かせてか、窓際の眺めのいい席に案内してくれた。
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