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とある都内の大学附属病院で働く、研究員の私は、最近、仕事を終え帰宅する際に、誰かにつけられているような気がするのだ…。
しかし、周囲を見渡しても誰もいない…。
だが、鋭い何とも言えない視線が、私を観ていることには、変わりはないのだが…。
何故、私なのかが、わからない。
心辺りも特にない。
と言う、謎で不気味な体験をしていた。
【ある日の帰宅時】…。
「はぁ、疲れているのに、更に疲れる…。」
と、嘆きながら、私は石のように重く疲れた身体を引きづりながら、一人しか居ない真っ暗な研究所から、出て研究所に鍵を締める。
すると、また、あの視線を感じる…。
私は思わず、
「君は誰だ、毎日、毎日と私を振り回し、そんなに、楽しいか!!」
と、叫ぶ‥。
すると、黒いフードを被った同じ姿、同じ背格好の男達が、何処から沸いてくるのかわからないくらいに、また1人、また1人と現れる…。
私は、恐くなり、急ぎ、大切な実験資料を鞄に詰め、全速力で、無我夢中で、走った。
そして、もう、良いだろと、振り返ってみると、男達は、容赦なく、また、1人、また1人と、現れる。
私は、体力の限界を感じたが、男達を振り切るため、逃げるのに必死になりながら、知らぬ間に人気のない路地裏に、逃げてしまい、行き止まりの看板の先を無視し、街灯がなく、月の光しか射さない、コンクリートの冷たい壁に四方、囲まれた場所で、“総勢10人の男達”に追い詰められ、逃げ場を失い囲まれる。
そして…、
-『どうして、君は逃げるの?』ー
と、黒いフード付きパーカーの男達が、一斉に私に、問う…。
私は、ゆっくりと男達に、ガタガタと、恐怖で震える身体を向けて振り返りながら、
「な、何故ですか、何故、私を追いかける…。」
と泣き叫ぶのを我慢し震える唇に、力を込めて、逆に問いただした。
すると、男たちは
―『え?何故って、君だからさぁ…。』―
と、訳のわからない回答をされる。
私は、再び問う…。
「ど、どういう…、意味…?」
と、問う。
男達は、“クスクス”と一斉に、笑い始める。
そして、男達は、私に再び詰め寄る…。
私は、後ろの冷たいコンクリートの壁迄追いやられる。
私は、恐怖のあまりに、身がすくんでしまい、冷たいコンクリートの壁を背に、そのまま、膝から崩れ落ち、男達のフードで、見えない顔を座り込みながらも、睨むように、見つめる…。
そんな、私を男達は、また、嘲笑いながら、言う。
ー『哀れだなぁ…、実に、君は!!!』-
と言うと、男達は、一斉に顔を隠していたフードを勢いよく取る!!
すると、月明かりが男達にあたり、暗闇から見覚えのある顔が、一斉に照らされる。
私は、その男達の顔を見て、愕然とする…。
何故なら…、何故なら、その男達の顔は、
全て…、
私の顔、だったのだ…。
私は、あまりの衝撃で、驚愕した。
そんな私を男達は、冷めた目で、見下し一斉に言う…。
-『俺達は全員が、お前のせいで、お前にされたんだ!!』-
と、男達は憎悪を剥き出し、10人の男達が、私に襲いかかる。
そして、私は男達のされるがまま、身を委ねる…。
それは、何故か?と、問われるだろう…。
それは、彼らは私の大切な実験対象だったからだwww(笑)。
まさか、こんなにも、素敵な出逢いがあるだろうか?
私は、身震いをした…。
そして、私は自分の素晴らしい実験結果に、先程の恐怖を忘れてしまった。
「あぁ、素晴らしい…。」
と、喜びながら私は、彼らの愛を受け入れた。
そんな私を冷たい刃が貫く…。
私は、その痛みを噛みしめて、彼らに微笑む…。
「あぁ…、素晴らしき、我が子達よ!!!」
「これからは、私が君達を追いかけるから…。」
「そう、永久に、お、追いかけ、続ける…。」
と、私は息も絶え絶えに、言う…。
そして、私は私を貫いた刃を持つ男の手をぐっと、引き寄せて、深く愛を受け入れる…。
すると、周囲の男達は、私と彼から離れていく。
彼の手は、とても震えていたし、私に流れる真っ赤な血潮が、この子達に流れてることを知り、安堵して私は、長く険しい黄泉の道へ旅立つ…。
満面の笑みを浮かべながら…。
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