第6話 株主総会

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「ファーストステップの株主構成は、創業者の一人、朝倉さんが約20%、上場前に出資したファンドが約20%、ファーストステップ生え抜きの経営陣が約15%、その他の45%が機関投資家や一般株主じゃ。朝倉さんはファーストステップを離れてから一切経営に口を出してない、というか無視しておる。つまり、株主総会決議にはいつも棄権している。ファンドは賛成、機関投資家も賛成、一般株主も大半は賛成となれば、生え抜き経営陣と反対している一部の株主の票をかき集めても20%にもならない。否決するには33%以上必要じゃ」 「やはり、ほとんどの人が賛成なんですね。後藤さんは、どうして反対なんですか?」 「一般株主が株を持つ理由は、自分の資産を守るためじゃろう。当然だ。お金は大切じゃからな。それが無ければ生活できない。でも、この歳になればひとつぐらい信じるモノに金を掛けても良いのではと思っておる。ワシは設立時のファーストステップの理念を応援したい。そう言う株主がいても良いじゃろう」 向井さんが言ってたとおり、二種類の株主がいるのだと実感した。
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