第6話 株主総会

11/14
前へ
/92ページ
次へ
第2号議案は目的と内容を一通り解説後、これは特別決議事項なので参加株主の2/3以上の賛成が必要だと説明があった。 一通り、説明が終わった後、議長が発言した。 「今までの説明、および召集状に記載の内容などに対する質問はございますか。質問のございます株主様は挙手をお願いいたします。私が指名いたしましたら、お近くのマイクにお進みいただき、入場時にお渡ししたホルダーに記載のNoとお名前をお示しの後、ご質問をお願いします」 はい、っと1人の40歳前後の男性が手を挙げ、議長が指名した。 「97番、板東です。第2号議案についてですが、僕はファーストステップ社の独自性が損なわれないか気になる。経営の独立性を担保できるのですか?」 議長が社長として回答した。 「第三者割当が計画通り実施された場合、持ち株比率からZ社が経営に関与する割合が大きくなるのは事実です。ですが、それが直接ファーストステップとしての特色、独自性、独立性を損なうことには繋がらないと考えています」 「まあ、そうとしか言えないよな」後藤さんがボソッと呟いた。 ネガティブな空気を打ち消すかのように次の人が手を上げた。
/92ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加