第6話 株主総会

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「47番、木田です。株主としては株価が気になりますが、第三者割当すれば株価あがりますよね」 「株価は市場が決めるものですので、私どもでは何とも言えません」社長が答えた。 「でも、この第三者割当が日経新聞にスクープされて以降、株価が上昇している。この議案が却下されれば株価は下がるでしょう。経営陣としてそんなことしないですよね」 「どうせリークしたのはファンドだろう。有利に進めたくて」と後藤さんが呟いた。なんだか解説付きで面白い。 「株価が上がっているのは経営者としてありがたいことです。しかし、私は経営者として、今日、明日の株価では無く、5年後10年後を見据えて舵を取って行きたいと思います」社長が答えた。 「株価を下げないでくださいよ。損させないで下さい」 そう言い残して、質問者は席に戻った。 「ファンド側の人間かもな。第三者割当されたら、株主はみんな儲かるぞ、と言ってる。多くの株主にとっては儲かることが一番だからなぁ」後藤さんが溜息をつきながら呟いた。 「他にご質問はございませんか」の声に、後藤さんが手を挙げた。
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