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運命
幸子は電話口で幸子が親友だと思っていた香に怒鳴っていた。
「香!どういうことなの?私の婚約者って知ってたよね?それなのに何で?もう式場も抑えてあるのよ!いつからなの二人で密会してたのはいつからなの?」
電話の向こうから幸子が親友だと思ってた香の声が聞こえてきた。
「ごめんね。私〜竜馬君の事〜いけない事だってわかってるんだけど〜好きになってしまったの〜でもね私をデートに誘ってきたのは竜馬君の方なの私ね、もう何度も断っていたの。こんな事幸子が傷つくと思って幸子に言えなかった」
電話の向こうから聞こえてくる香の声、そして竜馬のせいにしている香を幸子は許す事ができなかった。
幸子は香に怒鳴った「竜馬のせいにしないで!三日前、香と竜馬がラブホテルから出て来るところを私が見なかったら隠しておくつもりだったの?」
幸子は携帯電話を持って香を問い詰めた
その時「俺が変わるよ香」
携帯電話の向こうから聞き覚えのある男性の声がした。
それは、幸子の婚約者の高田竜馬だった。
「ごめん、式場は俺がキャンセルするよキャンセル料も払うから、あと母さん達には俺から話しておくよ」
幸子は涙を堪えながら婚約者の高田竜馬に言った。
「いつから?本気なの?」
幸子が言うと竜馬は幸子に済まなさそうな声で言った。「ごめん、本気なんだ。幸子が香を僕に紹介したその日から僕は香の事が頭から離れなくなったんだ」
幸子は竜馬に聞いた「じゃあ香が言った事、本当なのね?竜馬から口説いたって?婚約者の私がいるのに?よく口説けるよね?あなたって最低。
あなたが一人一人にキャンセルの事をハガキで伝えてよね!式場もキャンセルして!」
幸子は涙を堪えながらそう言った。
高田竜馬はただただ「ごめん本当に済まない」
そう言った。
小柳幸子は「最低」つい最近まで婚約していた高田竜馬にそう言うと携帯を切り、溢れる涙をハンカチで拭いていた。
でも、小柳幸子の心の傷はこんなものではなかった。半年後、小柳幸子の心がもっと傷つく出来事が起きるなんてこの時、小柳幸子には全く知る由もなかった。。。
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