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優しい先輩
二階堂は幸子に言った「小柳さん泣きたい時は泣いてもいいのよ。実は私もね、もうだいぶ前に婚約者に逃げられた事があるの。
その時思ったの、私は仕事をバリバリこなして出世するんだって、男を見返してやるんだってね。私もね男なんてもう懲り懲りよ、それで気づいてみたらこの歳になってたわ。
あなたに厳しくするのはねあなたに今度私が企画した女性の一人暮らしをテーマにした家電の開発のリーダーにあなたに任せたいと思ってるの
私も、いい歳だし営業も企画も疲れてきたの。だからあなたを吉田部長に推薦しておいたわ。
私が厳しく指導したから大丈夫だと言っておいたから」
小柳は驚きながら言った「先輩〜何で?あの企画は先輩の企画だったんじゃないんですか?私
なんてまだまだ無理です。
先輩に叱られてばかりですし〜。先輩、もしかして会社辞めるんですか?」
小柳の問いに二階堂は笑いながら言った。
「ちょっと〜誰が辞めるって言ったの?部署の移動届を出していてそこに行こうと思ってるの。本社の新人教育係よ。現場より人を育ててみたいそれが私の昔からの本当にやりたかった事なの。
たまに企画は出すけどね」
小柳は「せ、先輩が新人教育?」
二階堂は「何よー。そんなに厳しくしないわ。小柳さんみたいに」
小柳は「私みたいに?」
二階堂は言った「そうよ。あなたは特別よ私の後を継いでもらおうと思って厳しく指導したのよ。
そうそう、私もね出世前はこの前、会社を辞めた元木企画部長に厳しい指導されてね。
そのせいで企画リーダー部長になれたんだけどね。何度泣いたことか〜でもね。
数年前に元木企画部長の真意がわかったのよ
いきなり飲みに誘われてね。あの時は焦ったわ」
二階堂は思い出したようにくすくすと笑った。
小柳は「済みません。私二階堂先輩の事〜誤解してました。そう言えば先輩言ってましたね
私の事は部長とは言わないで先輩と呼んでください。部長という事で緊張していいアイディアが出なくなるからね。と言いましたよね。
それって後輩の事を思っての事だったんですね。それでいつ本社に?」小柳が言うと二階堂は「来週よ。後は頼んだわ」そう言った。
小柳は「先輩」そう言いながら涙ぐんでいた。
そして小柳は婚約者の事、親友の裏切りを散々二階堂に打ち明けた。そしていつの間にか近くの居酒屋でお酒を飲みながら親友だと思ってた香と竜馬の悪口を言いまくっていた。
居酒屋を2軒二階堂は小柳に付き合い散々愚痴を聞かされていた。
そして気がつくと小柳は一人暮らしのマンションのベッドで眠っていた。
「頭いたー」そうだ二階堂先輩と飲んでたんだー。まずい!たぶん愚痴をべらべら話して変な事言ってたんじゃないかな?とぐろ巻いてもう一軒!とか言ってたんじゃあー」
小柳は昨日の居酒屋の2軒目の途中から記憶がなかった。
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