過去

1/1
前へ
/11ページ
次へ

過去

 小柳幸子は人を見る目がなかった。それは小学一年の時から始まっていた。  当時幸子は、近所で幼稚園の時から仲が良かった菊池ゆりかと小学校でも友達?だと思っていた。ずっと友達だと。。  ところがゆりかは小学校に入ると小柳を避けるようになっていた。  理由は直ぐにわかった。お金持ちで豪邸に住んでいるゆりかに小柳は不似合いだとゆりかの両親が言っていたのを小柳は聞いてしまったのだ。 でも、ゆりかには秘密があった。  人知れず万引きを繰り返していた事だ。小柳はその現場を何度か目撃していたが何も言わなかった。ゆりかは小学校一年の時からクラスでは女王様のような立ち位置だった。  男子はとても可愛いゆりかにぞっこんでゆりかの周りにはいつもたくさんの男子がいた。  一方容姿もそこまで可愛くない小柳はいつも陰険と言われ、いつの間にかクラスメイトから避けられるようになっていた。  そしていつも小柳は一人ぼっちでクラスでは孤立していた。 小学校高学年になると、小柳はクラスメイトの渋谷貴とよくお喋りをするようになった。  それを気に入らなかったゆりかは渋谷の大切な物を小柳の机に入れて小柳幸子を泥棒呼ばわりしたのだ。  担任の先生までもがゆりかが渋谷君の物を机から出して自分の机に小柳さんが入れたと言う話を信じてしまい。先生からも怒られてしまったのだ。  中学に行っても小柳が友達になる人は皆んな小柳を裏切ってしまう。それが自分の人生なのか?と小柳は半端諦めていた。  高校になっても似たような事が続き。小柳は友達に裏切られるばかりか恋人も取られてしまう。そんな経験ばかりしていた。  今回も婚約者を親友だと思っていた人に後から来て取られて結婚までされようとしている。   いったい私が何をしたのか? 何でいつも私は恋人を友人に盗られるのか? そもそも私は人を見る目がないんじゃないか? そう言えば友達じゃなかったけど、日頃きつい感じで苦手な人だと思ってた人にいつも助けられる。 人生やり直せるなら〜 第一印象が最悪の人と友達になりたい。  きっとそう言う人が今までの経験上私を助けてくれるから〜。  やり直すなんてできるはずないけど〜 小柳は一日中そんな事を考えながら布団の中で 眠りについた。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加