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貝綾香
貝綾香と出会ってから小柳幸子は二人で二階堂茜のお見舞いに行く事が日課となって行った。病院の帰りには近くの喫茶店で珈琲を楽しんだ。
二人は趣味も同じだったので貝は編み物サークルに幸子を誘った。
でも小柳は入るとは言わずに「少し考えさせて欲しい」と言った。
その時だった。小柳は夢を見ているような気がした。綾香の後ろに夢でしか会えないおばあ
ちゃんが立っていた。
「幸子サークルに入りなさい」おばあちゃんは幸子に言った。そして、おばあちゃんは二つの矢印を持っていた。
赤い矢印と青い矢印だった。
おばあちゃんは幸子に言った。
「幸子〜これからたまに幸子の側に現れるから。おばあちゃんが青を出したら行きなさい。赤を出したら止める事。おばあちゃんは未来を知ってるだからおばあちゃんが幸子を不幸にしないように少しだけ未来を教えてあげる。
今の綾香さんの誘いは青よ」幸子は自分を可愛がってくれた祖母からの幸せな未来の「道導」かも知れないそう思いこれからは祖母の言った通り実行しようと決めていた。
「どうしたの?私の後ろに何かある?
小柳さん?」貝綾香にそう聞かれた小柳は迷わず言った。
「貝さん私、編み物サークルに入ります」
「そ、そうわかったわ」
急に入ると言い出した幸子を不思議そうな顔で貝はじっと見ていた。
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