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21 兄弟
「俺が怖いか?」
オリヴィエはゆっくりと首を振ると、柔らかな手でレヴィアタンの両頬を包む。
オリヴィエが目を閉じて口づけを強請る仕草をしてきたから、レヴィアタンは言葉とは裏腹の柔らかな口づけを落としていった。
レヴィアタンが隠してきたつもりの執着心を正面から浴びせかけられたくせに、オリヴィエは怯えることもなくむしろ幸せそうに微笑んだ。
「やっぱり僕たちって兄弟だね。考えることが似てる。僕は兄さまと離れるぐらいなら兄さまの腕の中で死んでしまいたいって思ってた。ねっ、お揃いだね」
「リヴィ!」
「でも、僕はもう、兄さまへの気持ちから絶対に逃げない。僕らの恋が禁忌だとしたって、絶対に二人で乗り越えて何年も何百年も生きて幸せな姿をみんなに見せつけてやろう?」
オリヴィエの身体は小さくて脆弱だ。しかし心は自分のものよりもずっと大きくて鋼よりも硬い。レヴィアタンは弟を眩しく、誇らしく思った。
「もう一回、お前の中に俺を入れて? とろっとろになったら、悪魔の姿でお前を抱くから。お前に俺の紋を刻ませて欲しい」
「うれしい」
弟を寝台に伏せるように寝かせると爪を引っ込め、興奮のあまり再び爪を突き出さぬように慎重に指を窄まりに差し入れていく。
「あっ……」
「キッツっ。お前一本でもこんなんじゃ、さっきみたいな無茶したら腹突き破るとこだっただろうが」
「ううっ、だってぇ。早く兄さまが欲しくて」
オリヴィエの言葉声美しい容貌、すべてが甘い毒のようだ。身体中を駆け巡ってレヴィアタンをどこまでも夢中にさせる。
「やめてくれ! さっき途中でやめたからもう、一回出したのにぎちぎちに痛くて無理」
今すぐにでもオリヴィエに押し入りたいと泣き濡れる股間の痛みに耐えながら、健気に揺れるオリヴィエのものを撫ぜ摩り官能へと導く努力をする。そして先ほど無体を強いた後孔を丹念に時間をかけてゆっくりと解していく。
「んっ気持ちい。ああっ兄さま、今触ったところ、もっとして?」
色事に慣れぬ兄の手助けになればとオリヴィエは素直に快感を拾って言葉にしていく。
「ここ、か? 少しだけぼこってなるとこ」
「ああっ。そこ沢山、ああ、だめ、あんまりトントンしないでぇ」
指を三本に増やしたその指の腹でばらばらと腹部側を大きくなぞり擦れば、オリヴィエが腰を突き上げた拍子にイキ、自らの腹を汚した状態でまだ腰を蠢かせる。
「お前がもっとしてっていった癖に。我儘リヴィ」
その痴態に煽られたレヴィアタンは、指を抜き去ると太腿に手をかけぐいっと自らの腰の方に引き寄せる。
「リヴィ、も、入れる」
それでもまだ狭い弟の中を、手首を握りしめ逃げられないような体勢にして後ろからぶすりと押し入る。
「ひああっ!」
兄のものを包み込みみっちりと隙間なく穿たれたオリヴィエは一瞬意識を吹き飛ばしかけ、半ば開いた唇から涎を零してぐったりとする。
その頬に赦しを乞うように口付けしてから、レヴィアタンはまだ半ばまでしか埋まり切っていない自らのものでゆっくりと中を拓いていった。
先が入ればなんとかなると思っていたが、やはり体格差が激しくて上手いようにはいかない。しかしもう意識は朦朧としているくせに、ぎゅっと兄を食んでくる弟の身体からもたらされる快楽に完全に心が陥落していた。
「リヴィ、リヴィ!」
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