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濡れるのは単なる反射だ。感じているからじゃない。
石田のものは長いけれど、ものすごく太い訳ではない。比較対象は恋人しかないけれど、たぶん。だからすんなり入ってしまった。
石田はそんなに上手くないのだろう。これも、比較対象は恋人しかないけれど、たぶん。
石田は私のいいところを見つけることができなかったし、私も特に知らせはしなかった。でも、石田からは喘ぎ声と嬌態を期待されなかったので、純粋に行為に集中してしまった気がする。激しい快感は得られなかったけれど、中を埋められた時、なんだかほっとした。
行為が終わった。石田は眠っている。
私は非の打ちどころがない恋人を裏切った。最悪な女だ。
疲れていて、お酒が入っていて、気持ちがよくて、もういいやという気持ちになった。そんなのは理由にならない。
恋人がいなかったとしても、最低だろう。愛のないセックスに興じる女。
でも、石田との無言のセックスはなんだかとても楽で、妙な安心感があった。そして、ひさしぶりに熟睡した。
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