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選手達は誰がどこを走っているか視認しやすい様に、それぞれ違う色のヘルメットとユニフォームを付けている。
1番…白
2番…黒
3番…赤
4番…青
5番…黄
6番…緑
7番…橙
8番…桃
9番…紫
面倒くさいって?最初は戸惑うが、すぐに選手の名前と色と車番を紐付けて覚えられる様になる。
今日の竜崎選手は6番車。
車番にも秘密があって、強い選手は奇数の車番になる事が多い。
そして6番車……緑色の選手はいわゆる「穴馬」。競争得点が最も低い、格下の者と決まっている。
口が悪いファンから「メロンちゃん」等と揶揄されたりもする。
だが、グランプリの6番は日本一の最高級メロン。
インタビューではカミカミでも、竜崎選手を簡単に美味しくいただけるとは誰も思っていない。
そして重要なのが「ライン」の存在だ。
これを知らなければ競輪の面白さは半減するし、そもそも着順の予想が難しい。
「竜崎、頼んだぞ」
隣の5番車、黄色いユニフォームを着た福岡の西郷選手が声をかける。42歳、グランプリ出場5回目の大スター。今回の本命選手である。
竜崎選手はこの同じ九州地区のベテランとチームを組み、協力して上位入賞を目指すのだ。
このチームを「ライン」という。
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