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残りの6人、東北・関東ラインと中部・四国ラインはあわてず後ろで待機する。
先頭員が外れれば、闘争心むき出しの二人は必死で競り合うだろう。
それに離され過ぎない様に着いて行き、彼らがへばってスピードが落ちた所で巻き返す。
そして番手から抜け出すであろう西郷選手をラインで封じる作戦だ。
残り3周。
静かに新庄選手が前に出て竜崎選手と並ぶ。
後続のラインも少し走路を外に取り、じわじわと西郷選手に迫る。
そしていよいよ残り2周。
先頭員がフッとコースの内側に消えた、その瞬間。申し合わせた様に──
ドラゴンロケット発射!
タイガーダッシュ発動!
ガツガツと肩を頭をぶつけ合いながら全力で踏み合い、意地の張り合い!もがき合ってバンクをかっ飛んで行く二人!
必死で追走する西郷選手と他地区のライン!
がっぷり四つの力比べに満員の観衆が思わず立ち上がり声を挙げ、拳を振り上げる!
カーンカーンカーン!
「ジャン」と呼ばれる鐘が打ち鳴らされる。
残り1周半!
鍛え抜かれたプロ選手の自転車は最高時速70キロを超える。しかし、これは明らかなオーバーペース。
最後の2周をずっと先頭のままで駆け抜けてしまった、そんな選手は滅多にいない。
ましてやこれはグランプリ、超人達による究極のレース。少しでもスピードが落ちれば、その隙を全員が逃がす事はない。
見てろ、少しでも……
少しでも落ちれば……
───落ちない!?
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