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呼び出し
夜、お風呂上がりにロックグラスを片手に今日の出来事を振り返る。
時間が経つ毎に昼間のアレは夢だったんじゃないかと薄れていく。
が……。
鎖骨下のアザ。
生鬼のTシャツ。
そしてスマホに登録された番号。
これらが現実だと突き付ける。
「はぁ〜。なんでこんなことになったんだろう…。」
どこで間違えたのかな、私の人生。
ヴーー ヴーー ヴーー
ボーっと見つめていたスマホが鳴り飛び上がる。
表示された名前に更に心臓が跳ね上がる。
心を読まれてたんじゃないかと思うタイミング。
ヴーー ヴーー ヴーー
鳴り続けるスマホに、無視しようかと思ったけど後々メンドそうと思い直し手に取る。
「…はい。」
『あ、やっと出た。華さん今、家?』
わかってはいたけど電話の向こうの声が更に現実を突き付けてくる。
「そうだけど。何?」
『そう言えば重要なこと言うの忘れてたなーと思ってね。俺の真名はエネルギー補給の時だけで。それ以外は星輝で呼んでね。』
少し気落ちしかけてる私とは裏腹に生鬼の声は明るい。
「そう。わかった…。」
『ん?華さん…。今から言う通りにやって。』
何か言いかけて話を変える生鬼。
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