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「とにかく!仕事するから番号教えて。」
私はエプロンのポケットからスマホを取り出す。
「電話じゃなくても呼べば行けるけど。まっ、電話も使えるか。」
「え?なに?」
「いや?XXX-XXXX-XXXX。」
最初の方は小声で聞き取れず聞き返せば、何でもないと番号を言い始め慌てて入力した。
「鳴らすから。」
デスクの上で鳴ったのを確認してスマホをポケットにしまう。
「じゃあ私は仕事に戻るわ。」
頭を切り替えて剥がしたシーツを持って部屋を出ようと背中を向ける。
「華さん。俺、寝るからここはもういいよ。あとは適当にして帰っていいから。」
さっきとは別人のようにアッサリと突き放すように言う生鬼。
「あっそ。じゃあごゆっくり〜。」
私は今度こそ部屋から出ると静かにドアを閉めた。
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