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「言う通りにって何させるつもり?」
生鬼の言う通りは信用ならない。
そうして私はまんまと契約しちゃったんだもの。
『あ、信用してない声だねー。とりあえず証に触れて真名を呼んで。』
そりゃあ不信感しかないでしょ。
それに何がとりあえずなんだか。
「なんで?」
『ま、いーからいーから。ほら、やって。』
不信感を抱いてるくせに強いお酒が入ってる私の指は言われるがままにアザを触っていた。
「……生鬼。」
「華さん!」
スマホから聞こえていた声が肉声で聞こえる。
あー、けっこう酔ってるわ私。
リアルに聞こえるなんて。
そう思いながら煽ろうとグラスを持つ。
「ちょっと飲み過ぎ!」
またもや肉声と掴まれた手首に思考が止まる。
ギギギギと音がしそうなほとゆっくりと首を動かす。
「っ…ギャ」
「はい、ストップー。叫ぶと近所迷惑だから。」
掴んでいない手で口を塞がれた。
なっ、なっ、なんでっ……
なんでここにいるのよーっ!?
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