1人が本棚に入れています
本棚に追加
5分後…
「あ、戻ってきたね。じゃあ証を見せるから。」
そう言うや否や、生鬼は着ているTシャツを脱ぎ始めた。
「っっ!…ちょ、ちょ、ちょっと!なに脱いでんのよ!脱ぐ必要ないでしょ!」
ギョッとした私は慌てて生鬼のTシャツの裾を掴んでおろした。
「襟が伸びるのヤダから。そんなに慌てて逆になに考えてんだよ。」
生鬼はフッと鼻で笑って私を見下ろした。
コイツ…ほんとコロコロと口調?態度?性格?変わるし、ちょっと腹立つわー。
何だかモヤッとイラッとしていたら、生鬼は私の手を剥がすと一気にTシャツを脱いだ。
「ほら、ここ。」
生鬼は何でもないように自分に刻まれたアザを指さしている。
「っ………。」
「どうしたの?」
「あ…ううん、何でもない。」
「そう?また脳みそ掃除かと思った。」
そう言って生鬼はケラケラ笑ってた。
あぶない、あぶない。
華奢だと思ってたら、Tシャツの下からとんでもないもの出てきたわ。
胸板は厚く肩幅もあって、腰は細くお尻は小さめ。
胸も腕もしっかり筋肉がついているけどゴツゴツした感じじゃなくて、しなやかそうな、でも男を感じる筋肉の流線美。
何あのキレイなボディは…。
それもこんな至近距離で。
あまりにもキレイすぎて、むしろ尊すぎて言葉も出なかったわよ。
これは早いとこ確認して服を着て貰わないと私の何かが持たないわ。
「脳みそ掃除はもーいいわよっ!で?」
私は何でもない風を装って生鬼のアザに目を向けた。
最初のコメントを投稿しよう!