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「今日は、堀様が歌を歌ってくださる日ですね」
朝。
猫と七海にまみれて目覚めた悠里は、高らかにそう言った。
「……俺たちの結婚式の日だ」
なんと、許嫁だった縁で、堀様が披露宴で歌ってくれることになったのだ。
「そういえば、社長のお友だちがたくさん来るに違いない、と修子さんたちが張り切っていましたよ」
「……あいつらか。
堀様と龍之介さんはできるだけ隠しておこう」
なんか大変なことになりそうだ、と七海は言う。
「そういえば、後藤は、この間、堀様の舞台見に来ていた子と、話が弾んでいたようだが」
「ああ、後藤さんが帰り際、女の子と長く話していたので、ビックリしたあれですね」
「後藤は普段は、女性と話さないのか?
お前とはよく話しているようだが、お前は女性じゃないのか?」
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