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「人間はなぜ愚かにも生きようと足掻くのだろうね」
地球温暖化だって結局自分たちが生きている結果だというのに。
僕の独り言が誰もいない空間に響く。僕の前にある水晶には、僕が扮したハルトの名を呼んでハルトを探しているショウヤが映し出されていた。
「『海水』は蒸発し、『雲』となる。『雲』の中で『水』が『雨』になる。そして『雨』が『地面』に落ちる。」
そう、地球温暖化で蒸発した水は雲になっていただけ。
そんなの、ちょっと考えると分かることなのに。
人間にとっては当たり前のはずなのに。
人間にとっての当たり前は科学で立証されてきた。じゃあ、その『科学』の根拠は?科学で証明されたならば正しいなんて、どうしてそう言える?なぜ『科学』は正しい?
そう、全ては、『僕』の手のひらの上。
さあ、雨よ。
人間たちに束の間の安堵として降り注げ。
その安堵はいつまで続くんだろうね。
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