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雨よ来たれり!
「雨よ、降れ!降っておくれ!」
私は天高く両手を開き、祈りを捧げた。
灼熱の太陽。日差しが肌を焼き、光が目を突き刺す。このままでは、この身も心も乾き果ててしまう。雨が降らなければ自分たちの未来には破滅しかない。
乾く喉でひらすら叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ。
「雨よ、降れ!大雨でも、嵐でもいい!どうか神よ、この哀れな私に救いの手を差し伸べておくれ!」
あらゆるまじないはやりつくした。しかし、そもそも人類に天気を自由にする魔法など使えるはずもないのである。
ただただ祈るしかない。神が、自分のような者を見捨てないでいてくれることを。
「どうか、どうか頼む、どうかあ!」
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