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自分から襲いかかってきておいて急にしおらしくなってしまった彼女を、あの手この手でなんとかたしなめ、結局その場は事なきを得た。
まぁフリソデをうまく脱がせられそうになく、すべてを早々に諦めたのも事実だったが。
その後、正式に婚約を申し込んだ。僕から。
話はトントン拍子に進み、両家ともに円満な婚姻を結び、……僕がそうしたいと考えて自ら動いたのだと知ったときは、彼女も驚いていた。
怖いくらい押してきた癖に、唐突に頬を赤らめた――その顔に見惚れ、気づいたときにはすっかり恋に落ちてしまっていたことは、まだ妻には打ち明けていない。
〈了〉
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