葉見ず花見ず

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「祖母ちゃん、今日、川辺行くの?」 「お彼岸だからね」 「毎年、絶対に1人で行くよね? どうして?」  おはぎを食べ終わった孫娘は目をくりくりっとさせ、不思議そうに聞いた。 「内緒」  (しわ)だらけの手を口に当て、ふふふと笑う私に、ふぅんと納得のいかない表情をするもニカッと笑う。 「じゃあ、今から行くの?」 「そうだね。涼しくなったし、そろそろ行こうかね。おはぎ美味しかったよ。ご馳走さま。お皿も片付けておいてくれるかい?」 「はーーい。じゃあ、祖母ちゃん、いってらっしゃい」  皿を素早くお盆にのせ、手を振りながら部屋から出ていく孫娘に手を振り返し、よいしょっと立ち上がる。  さて、今年もあなたが好きだった彼岸花を見に行こうかね。
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