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付き合ってもいないし好きあってもいない相手とのキスだと思うとちょっと寂しい。
(ま、事故だから…ノーカンよね)
次にキスする相手はどんな男性だろうか。
願わくば自分のことを好きな相手としたい。
そんなことを思ってリディは唇をそっと触ったあと、自室へのドアを開けた。
※ ※ ※
その日、リディは街へ出掛けていた。
大家のアレットに今月の家賃の支払いと少しばかりお店を休むという話をしに行くためだった。
アレットにその話をしたところ、「おめでとう」と祝福してくれ、「リディちゃんも結婚ね…うっうっ良かったねぇ…」などといたく感動してくれたが、結婚するところまでは契約外なのでそれはないなぁとは思いつつ、あえては言わなかった。
アレットは貴族のリディに店を貸すのを最初は渋っていたため、今回の件で店の賃貸契約も無くなるのではと危惧していたが、店はそのままにしてくれるというアレットの申し出に感謝した。
更にいつも作ってくれているリンゴのパンケーキを貰いリディはアレットの家を後にした。
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