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「ふふふ、アレットさんのパンケーキ、ルシアン様お好きだから喜んでくれるかしらね。レシピも教えてもらったし、今度作ってみようかな」
ルシアンからのリクエストでもあったが、最近はから揚げ弁当ばかりを渡してしまっているので少しは別レシピに挑戦しようと密かに思っていた。
だからルシアンの好きなアレットのパンケーキのレシピを貰えたのは嬉しい。
リディはそのまま街の中心街を歩いた。
街はいつも通り長閑だ。
街の中心にある噴水公園を歩けば、所々に屋台が出ており、若いカップルが楽しそうにクレープを食べていたり、ベンチには老人が座ってコーヒーを楽しんでいたりしている。
そんな街をのんびり歩いているとやがてリディの目的の店へと辿り着いた。
店の入り口の大きな緑のドアの取手に手をかける。
ドアに嵌められたガラスには「ランベラス書店」の文字が。
中に入ると本屋独特の真新しい本の香りがして、リディは少しだけ息を大きく吸ってその香りを嗅いだ。
図書館の雰囲気や本の匂いも好きだが、本屋は古書とは違うそれがある。
「さて…えっと、あれは伝承の本に分類されるのかしら」
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