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本日リディが探し求めているのはこの国における妖精伝説の本だ。
バークレー家の蔵書にあった妖精伝説の続編があることを知ったので今日はその本を求めに来たのだ。
ランベラス書店は王都の中でも二番目に大きい書店で、二階までズラリと本が並んでいる。
もちろんそれだけの本を扱っているので、人もそこそこに入っている。
一番人が多いのは入口に置かれた売れ筋の大衆小説のコーナーで、その奥にミステリーや恋愛小説などの本を人が物色している。
リディの探している伝承の本が置かれているコーナーは店の奥の方に位置しており、人はいなかった。
さて、とリディは本の表紙を右から眺める。
「確かタイトルは…『妖精王とヴァンドール』だったかしら…」
リディは背表紙に「よ」の書かれている棚を見ながら進んでいくと、目当ての本があった。
(あ、これね。良かった、メジャーな本じゃないから売ってないかと思ったわ)
そう思ってリディが本に手を伸ばした時だった。
左からにゅっと手が伸びて同じ本を取ろうとしてその手が止まった。
「あ、すみません」
驚いてその人物を見るとそこに居たのはソフィアナ・ロッテンハイムだった。
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