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リディがそう告げると、シャルロッテは逆上し、顔を真っ赤にして怒鳴った。リディに飛び掛からんばかりの勢いだがオベロンに体を固定されていて動けず、藻掻いている形になっていた。
「ドブネズミの分際で講釈垂れないで!私に勝ったと思っているわけ?鼻でせせら笑っているわけね。あんたこそ、ドブネズミらしくどぶに浸かって死ねばいいのよ!」
(可哀想な子…)
これまでの仕打ちを考えれば同情の余地はないが、それでもリディはシャルロッテに憐みを覚えた。
「あーあ、うるさいなぁ…。と言うわけで、君はさっさと退場して」
「な!」
シャルロッテが反応するかしないかの内に、その姿がリディ達の目の前から消えた。
「一足早くに北の修道院に行って貰ったから。リディ、気持ちはわかるけど、あんな動物以下の脳みその相手に言っても無駄だよ」
オベロンの力で消えたシャルロッテの場所は、人が居たという形跡もなくただ床があるだけだ。
「それでも言いたかったんです。…まぁ自分への戒めでもありますね」
オベロンがそう優しく言ってくれるのをリディは苦笑して聞いた。
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