豊穣のカードが示す未来

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リディを後ろから抱えるようにして座ったルシアンが、そう言えばと話を変えた。 「明日だが、エリスが散々家に来いと言っている。バークレー家に顔を出しに行こうと思ってるんだが、リディも来れるか?」 「もちろんです!皆さんにお会いしたいです!…あ、でもちょっと午前中にお医者様のところに行ってもいいでしょうか?」 「いいけど、具合でも悪いのか?無理ならバークレー家には今度行ってもいいんだぞ」 「えっと…具合が悪いと言うか…まぁ、はっきりしたらお伝えしますね」 ルシアンはリディの言葉に少しだけ不思議な顔をしたが、リディは曖昧にほほ笑んでそれを誤魔化した。 「まぁリディがそう言うなら待っているよ」 「はい!」 「そう言えば、前世でさ…」 リディとルシアンの元に新たな家族が加わるのはすぐそこの未来であることを確信しながら、リディはルシアンとの前世談義に花を咲かせた。 その後、ルシアン・バークレーはヴァンドール稀代の名君として名を残すことになる。 その王妃となったリディは聖女として国に妖精の加護を与えた。
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