襲われた鉄壁

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 中は妙に騒がしかった。  あ?これ。  病室――か?最初はそう思ったのだが、違うということにすぐ気が付いた。 「ああ新鮮な遺体をもっと持って来い!ああお前!次の遺体はどうした?!」  あ?俺を、何かのチンピラと勘違いしてねえか? 「違うのか?!だったら出て失せろ!ここは超最高の魔法技術の研究室だ!」 「はいはい。チェックメイト」  ベッドの上には死にたての死体。それを見下ろす眼鏡の男。  ベッドの向こうでは、同じような格好をした男が、顔色の悪い男とチェス盤を挟んで座っていた。 「あー・・・・ああああああああ」  変に呻いて、顔色の悪い男が頭を下げた。 「ランサー!検体5683のチェスの理解度はどうだ?!」  ランサーと呼ばれた男は、 「えー。まあ少しずつ伸びていますね?キャスリング覚えたの大きいでしょう?最初はビショップが瞬間移動してましたし?」 「そうか!5年かかってキャスリング覚えてうがああああああ!必死こいて見付けた遺体だぞ?!レイロードは燃えてたし!あ?ああお前はそこで死ね!死んでろ!ランサー!試薬7852を試すぞ?!」 「ええええええ?あれ触手がデロデロになりません?よくないと思いますよ?死体をクリーチャー化するのは?」 「おい。――おい!おめえ等、名前は?」  ふはははは!高笑いをした金髪眼鏡がポージングして言った。 「ならば応えてくれよう!私はランディ!ランドルフ・デクスター・ウォードという者だ!」 「僕は助手のランサー・ウィードンですけど?」  黒髪の方の男も言った。 「俺は、アカデミーのタルカス・シーボルトってもんだが。おめえ等、察するに死体持って来いとか試薬がどうとかって。もしかしてここよ?死者蘇生魔法の研究してねえか?確か魔王の奴が定めた、何とか・ウエスト法とか、なかったっけ?」 「何をおおおおおおおおおおおお?!我が憧れのハーバート・ウエスト法を口にするか!頭の悪そうな男よ?!」 「死体に触手デロデロ?そりゃあ確か、馬鹿めウォーレンは死んだわ法とかってなかったっけ?」 「あああ?不味いですよ博士?ってことは?窓に窓に法にも引っかかってたことがバレてません?」  その瞬間、研究室が闇に包まれた。
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