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この道における初めての勝利は、僕の足取りを軽くさせた。突き当りの曲がり角にたどり着くのにそれほど時間は必要なかった。
僕はその曲がり角に立ち、右を見る。さらにその先には道があり、そこには雑草がまばらに生えていた。今僕がここに至るまでに通った道よりもやや野性味が増したその道は、ハイエナの毛の荒々しさを思わせた。そこを歩くには少しの覚悟が要った。
僕は今来た道を振り返る。綺麗に舗装されたその道はしかし、人の通った気配はほとんどなく、僕だけの道のように思えた。先程の男が「全部俺のもの」とのたまった理由が分かった気がした。
曲がり角の先の道を歩く。そこには、かつて整備されたことがある、という趣だけが残され、ざりざりとその素朴を僕の足裏に味わわせた。
そこかしこ、コンクリートの割れ目からはみ出た雑草は、葉の先を茶色く染めていた。ここは人間のみならず水分や栄養など、そういったものですら立ち入ることが容易ではないということらしい。
僕のスニーカーが乾いた足音を立てる。
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