プロローグ《突然集められた十人と謎の少女。そして、全てが始まる――》

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プロローグ《突然集められた十人と謎の少女。そして、全てが始まる――》

これは一体……何がどうなってんだ――? 彼がそう疑わしく思う頃には、既に時刻は十六時半を回り、ちょうど前までは明るかった日差しも、燃えるような深紅の夕焼けで覆われ尽くされていた。 今いる場所はもう使われなくなった、旧校舎の裏側。そこに彼も含めた約十人が円を書くように集まっている。 それで十人はなぜか、誰一人として動かずに、唖然と体を固めて、沈黙している。なぜならついさっき、現実的にありえないことが発生したからだ。 ――彼たちの目の前には謎の少女が突然と姿を現したのだ。 直接ここに歩いてきたわけではなく、本当に気がつけば少女はそこにポツンと突っ立っていた。 少女は黒いワンピースを身に纏い、身長は百五十センチ程の黒髪ショート。 この十人の円の中心にいて、怪しげにこちらを見つめてくる。それに十人もすぐに混乱しながら少女一点に目を固定される。 この旧校舎の裏側。要は校舎裏にはひんやりとした風が揺ったりと降り注ぎながら吹いていて、その風は彼らの体を寒く震えさせていると思うのだが、まるで十人は体をビクとも震わせない。寒いという感覚を、今は全くと感じないのだ。 だって、混乱しているから。彼らは多分、現在進行形で分からないことだらけだ。だから、今必死に思い返そうとしているのだろう。「なんでこんなことになったのか?」と。 そして、なぜ “自分達” がここにいるのかを。 そうだ。彼たちは好きでこんなとこに集まったわけではない。正確には、あの時に集められたのだ…… ――う~ん? 確か、今日もいつものように遅刻して学校行ってから……机には、なんか変な手紙があって……。 それでようやく彼、泰田玲孳やすだれいじも事の発端を思い返そうと、今日の出来事を一瞬にしてフラッシュバックさせた。
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