8人が本棚に入れています
本棚に追加
第7話 違和感の正体
何でだろう。
監禁されることは初めてなのに、懐かしい感じがしてきた。
私は、グルームに恋愛感情を持っている。
持っている・・・・?
小学校以来に会っていない人に、こんな感情を抱くだろうか?
「グルーム、私と君はどういった関係になるの❔」
「婚約者になる以外は、何もない。
強いていうなら、花嫁と花婿という関係って言った方がいいだろうか」
「うん、そうなんだ」
「いやだった?」
「そんなことない。
君と私なら、それも悪くない気がして、不思議な感じがしたの。
本当久しぶりのはずなのに、ずっと会っている気がして」
「それは、本当に不思議なことだね」
彼と私は、ただの幼馴染。
本当にただの幼馴染なのかな?
だけど、その違和感が、どのように表現していいのかわからない。
時間がループしている感じって言う方が正しいのかもしれないけど、フィクションじゃあるまいし、タイムトラベルなんてあるわけがない。
「ブライド、私から言わせてほしいことがあるの」
今度こそ、私の方から素直な気持ちを言葉にしたい。
「私は、グルームが好き。
大好き。
愛してる」
「やっと、言ってくれたんだね」
「やっと?」
「ううん、なんでもない。
こっちの話」
「変なの。
私たちがこうして過ごしたことがあったかのように言うんだね」
「そうかな?
確かに、僕は君と何度も出会い、別れたことがあったりするけど、まあ、知っているわけないか」
「何のこと?
小さい頃に会ったことあるの?」
「幼馴染だからね」
「そうじゃなくて、君は小学校で転校してくる前に、もっと小さい頃に私と会ったことがあるの?」
「あるかないかの二択で聞かれたら、ない。
君は、時間がループすることは信じてる?」
「信じてないけど、どうしていきなり、その話をしたの?」
「何でだろうね。
ブライドが時間をループしていないと主張するなら、よかったよ。
僕としても、その方が安心だからね」
「何の話をされているのか、さっぱりよくわからないんだけど、説明してくるかな?」
「なんにも、わからなくていいの。
この世界は、君と僕がいればいい。
僕も君を愛している。
君も、僕を愛している。
そのことだけ、理解してくれればいいんだ。
そのことだけ・・・・」
「グルームがそう言うなら・・・」
「僕は行かなくちゃいけないところがあるから、本当はずっと君といたいけど、そういうわけにはいかないみたいで。
お休み、良い子にしているんだよ」
「いつまで、子供扱いするの?」
「そっか、もう心も体も大人で、成長しているもんね」
最初のコメントを投稿しよう!