第7話 違和感の正体

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第7話 違和感の正体

 何でだろう。  監禁されることは初めてなのに、懐かしい感じがしてきた。  私は、グルームに恋愛感情を持っている。  持っている・・・・?  小学校以来に会っていない人に、こんな感情を抱くだろうか?   「グルーム、私と君はどういった関係になるの❔」 「婚約者になる以外は、何もない。 強いていうなら、花嫁と花婿という関係って言った方がいいだろうか」 「うん、そうなんだ」 「いやだった?」 「そんなことない。 君と私なら、それも悪くない気がして、不思議な感じがしたの。 本当久しぶりのはずなのに、ずっと会っている気がして」 「それは、本当に不思議なことだね」  彼と私は、ただの幼馴染。  本当にただの幼馴染なのかな?    だけど、その違和感が、どのように表現していいのかわからない。  時間がループしている感じって言う方が正しいのかもしれないけど、フィクションじゃあるまいし、タイムトラベルなんてあるわけがない。 「ブライド、私から言わせてほしいことがあるの」  今度こそ、私の方から素直な気持ちを言葉にしたい。   「私は、グルームが好き。 大好き。 愛してる」 「やっと、言ってくれたんだね」 「やっと?」 「ううん、なんでもない。 こっちの話」 「変なの。 私たちがこうして過ごしたことがあったかのように言うんだね」 「そうかな? 確かに、僕は君と何度も出会い、別れたことがあったりするけど、まあ、知っているわけないか」 「何のこと? 小さい頃に会ったことあるの?」 「幼馴染だからね」 「そうじゃなくて、君は小学校で転校してくる前に、もっと小さい頃に私と会ったことがあるの?」 「あるかないかの二択で聞かれたら、ない。 君は、時間がループすることは信じてる?」 「信じてないけど、どうしていきなり、その話をしたの?」 「何でだろうね。 ブライドが時間をループしていないと主張するなら、よかったよ。 僕としても、その方が安心だからね」 「何の話をされているのか、さっぱりよくわからないんだけど、説明してくるかな?」 「なんにも、わからなくていいの。 この世界は、君と僕がいればいい。 僕も君を愛している。 君も、僕を愛している。 そのことだけ、理解してくれればいいんだ。 そのことだけ・・・・」 「グルームがそう言うなら・・・」 「僕は行かなくちゃいけないところがあるから、本当はずっと君といたいけど、そういうわけにはいかないみたいで。 お休み、良い子にしているんだよ」 「いつまで、子供扱いするの?」 「そっか、もう心も体も大人で、成長しているもんね」
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