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赤い水が川を覆っていった。赤い水は河岸へ溢れだし、地面を這っていった。赤い水に覆われた川を、さらに緑の水が覆っていった。緑の水は河岸へ溢れ出し、地面を這っていった。
彼女の頬を涙が伝った。彼は自分の気持ちに気がついた。
「付き合っているやついるのか?」彼はいった。
「だからいないっていってるじゃない!」彼女はいった。
彼女はひび割れた階段をかけ降りていった。彼は追いかけた。彼女は振り返り、屈託のない笑顔を見せた。彼女はかけ降りていった。薄汚れた扉があった。扉を開けた。大都会の廃墟が広がっていた。
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