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夢を見る。
情報の整理と納得するには余りにもかけ離れた光景を。
地下へ地下へと無数に伸びる幅の狭い螺旋階段。
ゴウン…ゴウン…ゴウン…。
出鱈目に絡みつく配管から聞こえる機械の駆動音のようなモノだけが確かに虚しく響いている。
配管の隙間から液体に満たされたガラスが覗く。
視線がガラスの方へと向けられる。
(……!?!!?)
オレと思しきヒトは凄まじい勢いで後ろへ退き、あろうことか螺旋階段を踏み外す。
いた。
確かに。
「ヒト」が。
ヒトだったのだろうか?
螺旋階段を踏み外す直前、両脇にもヒトが見えた。
しかし、ヒトにしてはカタチが酷似している。
底知れず頭から落下している最中だというのに、思考がやたらと捗るのは何とも夢らしい。
ぽつぽつと心もとない螺旋階段の灯りたちが一定間隔で堕ちていく。
とうとう灯りたちさえ飲み込まれ、真っ暗になる寸前、ひときわ大きい入れ物が視界を掠める。
その中にもやはりヒトが入っており、やはり他とよく似ている。
夢を見る。
情報の整理と納得するには余りにもかけ離れた光景を。
しかし、最後に映ったソレだけは何故か現実と繋がっているような気がした。
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