1章 ようこそ天上界

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「そうと決まれば、今日からここがチーミンの住居」 先導するユゥジンに案内されたのは、月廠内の一室。 どうやら工員の住まいの、使っていない部分らしい。 室内には、用途不明の幾本かの棒と、寝具が一組揃っていた。壁は剥落して、鍵もかからない粗末さだが、織科に登第する前はこれよりはるかにひどい暮らしだった。 心臓が強めなチーミンは、横たわるとすぐに眠りに落ちた。
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